夏越の祓

6月30日にお祓いをして半年の間、身体についたけがれを除くのが「夏越の祓(なごしのはらい)」です。


大村さんの時代には町内で紙の人形(ひとがた)が配られていて、その人形に、名前・年齢・性別を書いて、息を吹きかけて、自分の身体をさすると、けがれがぬぐえると紹介(『京 暮らしの彩り』より)。
その人形にお供えを添えて氏神にお祓いをしてもらっていた習慣を紹介しています。

また、上賀茂神社では境内の小川に人形を流す行事も記述。

人形がどんなものかについては、大村さんの記述を紹介します。

「人が両手を広げてたもとをひらつかせている形の白い紙」(『京 暮らしの彩り』より)。
同様のものが『千と千尋の神隠し』にも登場していました。龍になったハクを襲う紙切れです。

六月の京都のお菓子が「みな月(水無月)」です。ういろうの上に、甘い小豆が乗っています。

俵屋吉富のみな月。日本橋高島屋では白黒の2個1パックでの販売でした。

旧暦6月1日に氷室に保存されていた氷が宮中へ納められていました。庶民は氷なんて口にできませんから、氷を模してお菓子にしたのが始まりとされています。
いまでは白、黒(黒糖)、緑(抹茶)と3色取り揃えているお店があります。
出自を考えると、本来は白しかなかったはず。いつから黒も並ぶようになったのか、気になります。

とらやのみな月。小ぶりながら、厚みがあって、食べごたえはあります。1個づつ、バラで買えるのがうれしいです。京都の人にはバラで変えるのが当たり前ですが、東京のデパ地下だとセット販売が少なくありません。

長らく、大村さんは、どちらのみな月を食べていらしたのかと、探していたら、『美味しいもんばなし』に記述がありました。
お正月のお餅や、おはぎなど時季のものは、祇園の鳴海屋が、大村さんに届けていたとのこと。届くもののなかにみな月も書いてありました。

京都では本来は6月のお菓子のはずが、いまではもう少し早くから売るお店が増えています。
おかげで今年は4回も食べることができました。うれしい限りです。渋谷の仙太郎で聞いたら、今年は4月から売っていたらしい。

仙太郎のみな月。今年は渋谷のお店で3回も買いました。1個から買えるのとボリューム、お味、お値段ともにお気に入りです。

今日は日本橋高島屋まで行って、とらやと、俵屋吉富のみな月を買ってきました。
母親に聞いたら、昔は近所の和菓子屋が、みな月や柏餅などの注文を取りに回っていたそうな。
実家の近所では、子どもがすっかり少なくなって、そんなお店もなくなりました。

デパ地下では京都発祥のお店が、簡単な説明を添えて、みな月を並べているけれど、東の人にピンとこないのも無理はありません。
百貨店も、由来を説明して、売り場全体で力を入れて紹介してほしい。宮中由来のお菓子となれば、 きっと興味を持ってくれる人も多いのではないでしょうか。