おばんざいを作る

大村さんは、おばんざいのレシピを数多く残しています。
文面からは自分たちの食べていた料理を、正確に残したかったというよりも、
なぜ、その料理を食べる習慣があったのか、食材や料理にどんな意味があったのか、といった京都の文化・風習の記録としての意味合いが強かったように思います。

月末にはおからを食べる、8の付く日にあらめを食べるといった習慣は、
そうした、かつての食生活の代表例と言えるでしょう。

私も本を見ながら、秋の「おばんざい」をいくつか作ってみました。


「精進だき」(『京のおばんざい』より)
秋のおかずとして紹介されていたものです。
大村さんのおばあさんはお盆とかお彼岸の間は御精進で通していたと書いてあります。
お精進なので、カツオは使わず、干し椎茸を戻した水と昆布でだしを取ります。

干し椎茸は前日、寝る前に水につけて冷蔵庫に入れておきました。

 

生麸、生ゆば、戻して別に味付けした干し椎茸を薄口しょうゆ、砂糖、塩で炊いて、ゆずの皮を乗せます。

この椎茸、ちらし寿司や志っぽく蕎麦(おかめのこと)などに入っていて、すごく好きです。
自分で初めて炊きました。母親がちらし寿司をつくるとき、いつも炊いてくれていた手間を初めて理解しました。
初めてにしては上出来の味付け(自画自賛ですね)。

上は私が作ったものです。本に載っている写真を見ると、ゆずの皮の細いこと。とても真似できません。

 

「はんぺいとおねぎ」(『京のおばんざい』より)
えべっさんの日のおかず。えべっさんとは、えびす講のことで、20日にえべっさんにお詣りに行って、その日はこのおかずをたべたとのこと。

同著では、明治時代に東京遷都以降、京都の商人が東京へ行商に行き、秋に京都に戻って、10月20日にえべっさんをおまつりしたことが紹介されています。

丸いはんぺんを小判に、斜めに切ったねぎを笹に見立てているのです。
関東のスーパーでは四角いのしか見当たらなかったから、丸く切って使いました。

小判型にはんぺんを着るのが意外と難しい。

ちょっと、ねぎを炊き過ぎたみたい。本に載っている写真では、青々とした細めのねぎを、もっと狭い感覚でカットしとしています。
次は見本に近づけるように挑戦してみます。