未発表の原稿

大村しげさんが、あるお店のために継続的に書き下ろされていた短い随筆の束。
恐れ多いことですが、京都滞在中に私がお預かりしてきました。

婦人誌ウェブサイトで準備中の連載の取材が無事に終わりました。

取材中、あるお店で、大村しげさんの未発表の原稿を大量にお預かりしました。
貴重なものなので責任を負えないと、お断りしたのですが、「お役に立つのなら。大丈夫、大丈夫」と、私を信頼して託してくださいました。

こまめに継続的に書かれた短い随筆の束です。

保存状態は良好。ただし順番などがバラバラなので、整理整頓していく必要があります。ひとまず私は整理分類とテキスト化の作業を進めようと思っています。

大村さんは出版社が原稿を改変するのを好まなかった。これは文筆に関わる方なら当然のことです。鈴木靖峯さんにお聞きした話では、
ご本人の了解なしに出版社が改変することもあったようです。
ご自身は露骨に、そのことをアピールなさっていません。

暮しの手帖の花森安治さんは、ひとつも手を加えずに大村さんの文章を尊重しました。大村さんは自著のなかで花森さんへの謝意を丁寧に書き記しています。
これは、出版社による改変が頻発していたことの裏返しと言えるのではないでしょうか。私自身も20年ほど出版に携わっているので、想像はつきます。

かなり量があるので、作業には時間を必要とします。
早々にコピーをして、原本を持ち主の方にお返ししないと、どうも落ち着きません。