家庭画報.comでの連載が更新されました。
本日、更新分では大原のしば漬けのお店、志ば久さんをご紹介しています。
https://www.kateigaho.com/food/rensai/35365/
志ば久さんの青しばについて、大村さんは何度も記述をしていました。
大村さんと面識がおありのご主人がいまも現役。
春ごろに立ち寄った時にいらした、お客さんを呼び込む口上の上手なおじさんは、やはりご主人でした。
大村さんは、建礼門院(平清盛の娘)としば漬けの関係などについても紹介していました。
大村さんの著書が愛されたのは、ただ食べものを紹介しただけでなく、古典や歴史を引用しながら、京都の文化を紹介した点にあると思います。
読み手は、その点を、さほど意識せずに読んでいたかもしれません。
しかし、意識して読むと、平家物語、方丈記、謡曲、さらには吉井勇、与謝野晶子なども。
それが知識をひけらかす目的ではなく、いたって自然な語り口で書かれていました。
大村さんを愛した40年前の読者はいまよりも平均的な教養が豊かだったのかもと感じさせます。
時間があれば、大村さんの著述と古典を切り口に、調べてみたらきっと面白いと思います。
今回の連載では書ききれなかったけれど、大村さんは大原を流れる呂川と律川についても記述。呂律はりょうりつと読む一方、ろれつとも。それぞれの言葉の使い方を紹介していました。
大原とゆかりのある建礼門院が、御髪をおろしたのは、円山公園奥の長楽寺。
門前の茶店「紅葉庵」はすでに家庭画報.comの連載でご紹介しました。
点でしか(ですら?)知らなかったものが、大村さんの著書を読んでいくと線になってつながり、京都を巡っていく。
てんでばらばらに、意味も分からず見聞きしていたものが、大村さんの著書を通じると、それぞれのつながりや関係性が見えてくる。
この価値が、一人でも多くの人に理解してもらえることを願っています。。