家庭画報.comの連載が更新されました。
はやくも連載第3弾も5回目となりました。
今回は、笹屋伊織さんのどら焼をご紹介しています。
https://www.kateigaho.com/food/rensai/36249/
お着物の素敵な女将さんが、非常に丁寧にご説明くださったので、
笹屋伊織さんのどら焼の個性が、よくわかりました。
とても企画趣旨に賛同をしてくださったのが本当にうれしかったです。
取材の依頼は、きっと多いと思いますが、特に今回の記事の意図を汲み取ってくださっていたのが、こちらにもすごく伝わってきました。。
今回は40年前の「京のお菓子」(中央公論社)の記事をたどって、取材をお願いしました。女将さんによると、先代は取材をあまり引き受けない方だったそうで、当時、大村さんが取材をしていたことに驚かれていました。すでに先代は亡くなられていて、当時の取材の背景はいまとなっては分かりません。もしや、先代は「大村さんならば」と一肌脱いでくださったのでしょうか?
取材で、アッ!と思ったのは、女将さんのご説明の中に、菓子木型の(野口)筑紫堂さんのお名前が出たこと。
大村さんが、筑紫堂さんについて著書で書いていらして、以前から現状を調査したいと思っていたのでした。
また、取材後、撮影した写真を見て、またもアッ!と気づいたことがありました。
今回、本社で貴重な古い資料を撮影させていただいています。
そのなかに、昭和10年の広告の下書きというものがありました。
家庭画報.comの記事にも写真を掲載していますのでご確認ください。その右下に小さな人形が置いてあります。
人形は大村さんが『京 暮らしの彩り』で、紹介した伏見人形です。
伏見人形は土で作った郷土玩具。写真の片隅に写っていたのは大村さんが好きと書いていた「饅頭食い」という子供の人形でした。
子供は両手に半分に分かれた饅頭を握っています。
これは「父親と母親とどちらが好きか」と聞かれた子供が、「どっちがおいしいか」と問い返したという逸話のあるもの。
取材現場では、慌てていて、気が付かなかったのが悔やまれます。
これまで、さまざまな著書で知ったものが、パズルのピースのように、カチカチとはまっていく気持ちを何度味わったことでしょうか。
大村さんの著述の価値は、そこにあって、断片的にしかみんなが知らないことを、どのように組み合わさるのか、教えてくれていたのです。
なんとありがたいことでしょうか。