暮しの手帖 32 (2008年2-3月号)

大村しげさんは、雑誌『暮しの手帖』にて「京暮し」を二年半連載していました。

連載はのちに、書籍化されています。

左が昭和62年発行版、右が平成22年発行の新装版。

あとがきにはタイトルを花森安治がつけたことが書かれています。

関連図書を探していましたら『暮しの手帖』32 (2008年2-3月号)に、なぜか、「大村しげの京暮し」の見出しがありました。

連載もとうに終了しているのに、どういうことかと思い、古書を入手しましたら、甲斐みのりさんという方が書かれた大村さんの紹介記事であったことがわかりました。

誌面では大村さんの文章を引用しつつ、「しまつ」「暮らしと食」「おばんざいの再現」「住宅と暮らしの道具」「大村さんが紹介した道具、食品のショッピングガイド」「京都の道案内」「執筆のきっかけ」などの内容が紹介されています。

この雑誌の発売の前年6月に、『大村しげ 京都町家ぐらし』(河出書房新社)から発刊されています。こちらは、大村さんの没後、京都の自宅に残された荷物が、国立民族学博物館に収蔵されて、それを基に行われた研究をわかりやすくまとめたものです。

『暮しの手帖』のこの企画は、『大村しげ 京都町家ぐらし』に触発されたのか、連動していたのか、いずれにしても参照しながら、書かれたものであったことが見て取れました。

現在は『大村しげ 京都町家ぐらし』、『京暮し』ともに新品では手に入らない状態です。

すでに大村しげさんの没後、26年が経過し、なかなか大きな動きは見られませんが、

温故知新で、さらに探求を続けていきます。