本日、YouTubeに、しょうがめしの調理動画をアップしました。
この料理は、『京暮し』(暮しの手帖社)にて紹介されていて、記述から冬にも春先にも作られていた様子がうかがえます。
動画のURL → https://youtu.be/WoCbPN3KWaY
しょうゆ、酒、しょうがのしぼり汁を加えて炊くご飯で、寒い間は、こぶ出汁で炊くとも書かれています。
しょうがのしぼり汁は、最初から入れると香りが逃げるため、途中で入れるのが調理のポイントです。
今回、使用したのは、峠の釜めしの容器です。
大村さんは、『京暮し』の一篇、「なたねめし」で、この容器について書いています。
“百貨店でも駅弁大会があるたんびに釜めしを買うて、おかげでお釜さんがいくつもたまってきた”
『京暮し』より
確かに器は彼女の遺品にも含まれていました。没後に発行された研究書『大村しげ 京都町家ぐらし』(編=横川公子/河出書房新社)でも、大村さんの自宅の食器棚に収まっているのが写真で確認できます。
我が家にも、同じ容器が残っているので、これ幸いと、再利用。ちょうど一合くらいを炊くのに、適していて、記述によると、一人暮らしの彼女にも使い勝手がよかったようです。
調理の手順は、動画でご確認いただくとして、いくつか補足を。
具材の量ですが、水の量は普通。そのなかに、しょうゆとお酒が含まれます。
”お米に対して、一割弱、まあ八分ぐらいのおしたじと、それと同量のお酒をいれて、ふつうの水加減でご飯を炊く”
『京暮し』より
上の記述を、わかりやすく数値化した分量を、動画中に記載しています。
そのため、水 164cc、しょうゆ 18cc、お酒 18ccという、中途半端な数字になったというわけです。
チューブ入りのしょうがで済ませられる現代ですが、やはり本物のしょうがの風味は格別です。
炊飯器で簡単に作れるので、春の終わる前に、ぜひみなさまもお試しください。