本日、YouTubeに新しい動画をアップしました。
今回は大村しげさんが、著書『京のおばんざい』(中公文庫ビジュアル版)、『京 台所の詩』(淡交社)で、春の料理として紹介したおこんにゃのでんがくを調理しました。
おこんにゃとは、こんにゃくのことです。
本には、春になると、おでん売りが歌を歌いながら、おでんを売り歩いていた思い出が添えられています。
動画リンク
https://youtu.be/Pyf4NdGlhMo
記述には、歌が初めから終いまで、すべて書かれています。
それがどんなメロディーだったのか、いまとなっては、わかりません。
もしかすると、80歳代、90歳代くらいの方なら、覚えていらっしゃるでしょうか。
さて、調理後、私が一つ間違いをしていたことに気づきました。
こんにゃくは角切り、すなわち、ダイスカットしたものを2つ串に刺さなくてはいけなかったのですが、板状のまま使用しています。
味に変わりがないとはいえ、なぜ本来は角切りにしていたのか。
これは一口で食べやすくするための配慮だったのでしょう。
調理して、わかったのは、白みその調合によって、かなり味が変わるということです。
味の印象は白みそで決まるので、砂糖をやや多めにするとよりおいしく感じました。
冒頭で、おこんにゃがこんにゃくと説明をしました。余談ながら、著書『こんこんさん、遊びまひょ 京のあそびうた』(筑摩書房)には、京ことばの解説があり、若い人に京ことばが通じなくなりつつある様子が書かれています。
京ことばでは、名詞に”お”をつけて、下を省くことが割と多い。たとえていうと大根はおだい、こんにゃくはおこんにゃ、卵はおたま、またはおたまさんというぐあいである。
『こんこんさん、遊びまひょ 京のあそびうた』(筑摩書房)より
同著では、ほかにも、おまく=まくら、かぼちゃ=おかぼ、なすび=おなすなどが紹介されています。また、”お”をつけるのは女言葉で、男性が使うのはお好きではなかったようなニュアンスも読み取れます。
なにはともあれ、春のうちに、みなさんも、ぜひ作ってみてください。